時々、短いエッセイを書いて他の人と共有したいと思うことがあります。ブログなら簡単ですが、私が書くようなエッセイには、BloggerやWordPressのようなフル機能のブログプラットフォームは大げさです。本格的なウェブプレゼンスを目指しているわけではなく、ソフトウェアの設定やテーマの調整に煩わされることなく、たまにエッセイを投稿したいだけです。
その上、私はデータを失うことを恐れています。不朽の名作である私の文章(の唯一のコピー)を他人のサーバーに保存し、システム管理者のミスで完全に消えてしまうような状況は、私にとって望ましい対処方法ではありません。
Calepin.co の登場です。これは、Markdown と Dropbox という2つの既存技術を巧みに融合させたものです。Markdown はシンプルな書式設定言語で、読みやすく書きやすいフォーマットを使ってマークアップを簡単に記述でき、Markdown 対応のパーサーによって HTML に変換できます。Dropbox は、ハードディスク上のフォルダをインターネット経由で他のユーザーと共有できる Web サービスです (「Dropbox:共同作業の夢」2009年2月3日号参照)。これらを組み合わせれば、シンプルなブログ作成のレシピが完成します。
Calepinのアイデアはシンプルです。Markdown言語でテキストファイルとして投稿を書き、Dropboxフォルダ内の専用フォルダに保存します。すべてのファイルはローカルマシン上に保存され、Spotlightでインデックス化したり、他のファイルと同様にTime Machine、CrashPlan、その他のバックアップツールを使ってバックアップしたりできます。
Calepinを使い始めるための最初のステップは、CalepinのWebサイトでサインアップすることです。希望するユーザー名(ブログのURLの一部になります)とサイトタイトルを設定します。コメント機能を有効にする場合はDisqusのサイト名を、アバターと「フォロー」ボタンを表示したい場合はTwitterのユーザー名を入力します。CalepinはDropboxアカウントへの接続許可を求め、許可されるとDropbox/Apps/Calepin
ブログ投稿用の専用フォルダが作成されます(Calepinはこのフォルダにのみアクセスできるため、他のフォルダが公開される心配はありません)。
Markdownで投稿を作成し、ローカルのCalepinフォルダに保存したら、CalepinのWebサイトにアクセスして「公開」ボタンをクリックします。CalepinはCalepinフォルダの内容を読み取り、フォルダ内のテキストファイルに新規(または変更)があるかどうかを判断し、MarkdownをHTMLに変換し、各ファイルごとに投稿を作成し、投稿のトップレベルリストを更新します。
Markdownファイルはプレーンテキストなので、お好きなテキストエディタで作成できます。私はBBEditを愛用しています。使い勝手が良く、Markdownファイルをプレビューできるので、投稿がどのように表示されるか確認できます。しかし、必ずしもBBEditを使う必要はなく、ツールを一つに限定する必要もありません。職場でBBEditで投稿を書き始め、帰宅後、iPhoneやiPadでMarkdownとDropboxに対応したElementsなどのエディタを使って、通勤中に作業を続けることも可能です。投稿はDropboxに保存されるので、Dropboxが
インストールされている場所であればどこでも、いつでもアクセスできます。
Calepinの投稿に画像や動画を追加するのは簡単です。画像への参照を挿入するだけで、Calepinが参照に必要なHTMLを生成します。Calepinは画像をホストせず、ここでもDropboxに依存しています。つまり、画像をDropboxの「パブリック」フォルダに保存し、「パブリックリンク」を埋め込む必要があります(ファイルをControlキーを押しながらクリックし、コンテキストメニューから「パブリックリンクをコピー」を選択)。幸いなことに、Calepinガイドの「投稿に写真を追加する」セクションで、その方法が明確に説明されています。Dropbox/Public
他のパブリックファイルとは別に、「画像」フォルダを作成し、そこにすべての画像を保存しておくことができます
。
Calepinのブログ投稿のビジュアル表示は簡素で、すべての投稿に統一されたスタイルが採用されています。こちらでご覧いただけます。テーマを追加する予定もありません。彼らのポリシーは、「新聞に短編小説を投稿するようなものだと考えてください。書き手のアイデンティティは見た目や雰囲気ではなく、言葉を通して表現されるのです。」です。
Calepinは確かに万人向けではありません。WYSIWYG編集を好む人には物足りず、凝ったブログテーマを求める人には物足りなさを感じるでしょう。投稿の表示形式を細かくコントロールしたいブロガーは、他のツールを検討した方が良いでしょう。Markdownはシンプルな言語で、ある程度の構造を持つテキスト記事を主に書くことを容易にするために設計されています。しかし、テキストベースのツールを使ってシンプルなレイアウトで表示されるブログ記事を作成したい人にとって、Calepinはブログの世界に足を踏み入れるための無料かつ手軽なツールです。