今年のCESでは消費者のプライバシーが大きな話題となり、Appleが数年ぶりに公式にCESに登場したのもこれが理由でしょう。Appleのグローバルプライバシー担当シニアディレクター、ジェーン・ホルバート氏がプライバシーに関するパネルディスカッションに登壇しました。ティム・クック氏はCEO就任以来、プライバシー保護に強い姿勢を示してきましたが、ワシントン・ポストのジェフリー・ファウラー氏も会場に姿を見せ、Appleに更なる改善を訴えました。
昨年、AppleはCESの外に「iPhoneで起こったことはiPhoneの中にとどまります」という巨大な看板を設置しました。ファウラー氏はホルバート氏に、このメッセージを実現するためにAppleはどのような取り組みを行っているのか尋ねました。ホルバート氏の曖昧な返答は、Appleの納得いくものではありませんでした。「私たちは常に革新を続けています。運用プロセスも例外ではありません。」
ファウラー氏がワシントン・ポスト紙に寄稿した調査記事では、1週間で5400以上のトラッカーが彼のiPhoneから情報を送信していたことが明らかになったことを覚えているかもしれません(「iOSアプリのトラッカーがあなたを監視している」2019年6月1日参照)。そしてもちろん、ニューヨーク・タイムズ紙も位置情報プライバシーに関する懸念について報じています(「ニューヨーク・タイムズ紙、私たちの行動がいかに徹底的に追跡されているかを暴露」2019年12月19日参照)。
ファウラー氏は、Appleは自社サービスに関する情報の暗号化には細心の注意を払っているものの、サードパーティ製アプリの監視にはほとんど力を入れていないと指摘する。AppleはApp Storeで配信されるすべてのアプリを承認しているため、特に利用可能なリソースを豊富に有するAppleは、この点においてもっと多くの対策を講じることができるはずだ。
もちろん、ファウラー氏はアップルを的確に批判しているものの、他の企業の方がより悪質であることを認めている。彼は次のように書いている。
Facebookのプライバシー責任者であるエリン・イーガン氏もCESのパネルに参加し、真顔で「Facebookユーザーのプライバシーは現在保護されていると思います」と語った。
イーガン氏は、フェイスブックが2019年7月にプライバシー侵害で連邦取引委員会から50億ドルの罰金を科されたにもかかわらず、そう語った。
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