米国司法省と33州がAppleに対して提起した独占禁止法訴訟(2013年7月10日の記事「Apple電子書籍価格カルテル訴訟の解説」参照)でAppleが敗訴した騒動の中で、Appleと大手出版社5社も同様の行為で欧州委員会の調査対象となっていたことは忘れられがちだった。懸念は全く同じで、Appleと出版社が共謀して電子書籍の価格高騰を引き起こす状況を作り出したというのだ。
しかし、米国とは異なり、Appleと5つの出版社は、欧州委員会の懸念に対処するための法的拘束力のある約束を提示することで和解に至りました。これらの約束は、欧州経済領域内で行われる事業にのみ適用されることにご留意ください。
- Apple と出版社間の代理店契約の終了。
- 出版社と他の小売業者との間の代理店契約の終了。
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出版社が電子書籍小売業者の小売価格の設定および/または割引提供の能力を制限しない 2 年間のクーリングオフ期間。
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電子書籍に関しては、Apple と出版社の両方に対して小売価格の最恵国待遇条項を 5 年間禁止します。
メモの日付が2012年12月13日であることにお気づきかと思いますが、Appleは今週、iBookstoreの出版社に対し、iBookstore配信契約のMFN条項を適用または執行しないことを通知しました。ご存知のとおり、MFN条項(最恵国待遇条項)とは、他の価格設定契約の有無に関わらず、小売業者が競合他社のより低い価格に合わせることを可能にする条項です。
欧州委員会の訴訟手続きは結局裁判に至らず、Appleと出版社からの約束を受け入れる決定は、合意内容が欧州連合の独占禁止法に適合しているかどうかについて明確な立場を表明するものではないが、Appleが米国で行ったように(そして現在も続けている ― 2013年8月7日の記事「電子書籍の価格カルテル訴訟における司法省の救済策は的外れ」を参照)、法廷で争うのではなく、EUと和解したのは興味深い。